ニュースレター

2015年 10月 18日発行
夕暮れの空き地に、2~3歳の幼い女の子、

ミーちゃんは一人で砂遊びをしていました。

辺りは人影もなく、だんだんと日が暮れ暗くなっても

一人ぼっちで遊んでいるミーちゃんに、

何しているのか聞くと、「スコップで遊んでる」

どうして一人なの?と問いかけると・・・

「お父さん待ってるの・・・」

「今日はミカちゃん家に帰るけど、行きたくない」

そう言って、暗がりの中、一人で砂遊びをしていました。


そして、しばらくしてミーちゃんは・・・

「お父さん帰ってきても、私のこと嫌いになるかも・・・」

そう呟きました。

なんでお父さんが、そんな風に思うの?って聞くと、

「赤ちゃんが死んだの! お母さんといた時に、赤ちゃん死んだの!」

「あっち行ってってお母さんに言われた!」

なんで?何が起きたの?と聞くと

「赤ちゃんが死んだのは、ちゃんと私がお母さんの言うことを聞かなかったから・・・

だから赤ちゃん死んで、お母さんが私に、あっち行ってて言った・・・」

「お父さんも、お母さんも、私の事嫌いになるかも・・・!!」

そう言ってミーちゃんは泣き出したのです。


お母さんのお腹の中にいた赤ちゃんが流産してしまい、

きっと不安定な気持ちになっていたお母さんが、感情的になって言った言葉に

ミーちゃんは、ずっと傷ついていたのでした。

病院に見舞いに行っていたお父さんの帰りを、夜遅くまで一人で外で

待ち続けたのでした。


お父さんも、お母さんも、私の事を嫌いになる・・・

赤ちゃんが死んだのは自分のせいだと・・・


2~3歳の幼い子の心を、この出来事が、どれほど深く傷つけたのでしょうか・・・


そして50年近く、ミーちゃんは、大人になった彼女の無意識の中で

ずっと、この悲しみと、孤独と、怒りの感情を抱えたまま

誰にも分ってもらえず、暗闇の中で、ただ一人佇んでいたのでした。


そう、このミーちゃんは彼女のインナーチャイルドでした。

ようやく、大人になった彼女は、幼い自分に出会い、

まだ2~3歳だったころの、あの時に感じた記憶を思い出せたのでした。


それは、ミーちゃんが初めて、本当の気持ちを理解してもらい

その気持ちを癒し、救ってもらえた瞬間だったのです。


そう・・・大人の彼女は、ヒプノセラピーで無意識の中にずっと苦しみ続けた

幼い自分にようやく出会い、そして初めて本当に救うことができたのです。


無意識の中で長年、抑圧し続けた本当の自分自身の気持ちを引き出し、

その幼い自分自身が納得できるような癒しで、苦しみの感情から開放できたのでした。

そして、大人の彼女は、ミーちゃんをもう一人ぼっちにさせないよ・・・と約束し、

そしてミーちゃんを一番安全で、温かい心のお部屋に入れてあげました。


そのお部屋は、おもちゃがたくさんあって、ミーちゃんはすごく嬉しそうに

はしゃいでいたそうです。


セッション後に、彼女が感じたことは・・・

やっと終わった・・・なんだか長い闘いがやっと終わった気がした・・・そう語ってくれました。


それまでは母親に頼るもんか!!と、意地を張っていたそうですが、

翌日には、どうしても自分で今は解決できない問題があり、そのことを

いとも簡単に、母親に頼むことができたのだそうです。


まさかこんなふうに彼女自身も、母親に対して素直にものを頼めるようになるなんて・・・

ご本人が一番驚いておられました。


母親に対しての、抑えきれない怒りやネガティブな感情が

幼いインナーチャイルドの叫びだったとは、

ご本人も思いもよらないことだったようです。


そして、無意識の中で苦しみ、叫び続けていたイナンーチャイルドを

救い出してから、彼女の目に映る日常の景色は、

今まで見ていたよりも、なぜか明るく感じたのだそうです。


もしかしたら、心の奥底の闇が 癒しの光で照らされたからかもしれませんね・・・

*クライアント様から許可を頂き、ご紹介させていただきました。ありがとうございました。

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