夕暮れの空き地に、2~3歳の幼い女の子、
ミーちゃんは一人で砂遊びをしていました。
辺りは人影もなく、だんだんと日が暮れ暗くなっても
一人ぼっちで遊んでいるミーちゃんに、
何しているのか聞くと、「スコップで遊んでる」
どうして一人なの?と問いかけると・・・
「お父さん待ってるの・・・」
「今日はミカちゃん家に帰るけど、行きたくない」
そう言って、暗がりの中、一人で砂遊びをしていました。
そして、しばらくしてミーちゃんは・・・
「お父さん帰ってきても、私のこと嫌いになるかも・・・」
そう呟きました。
なんでお父さんが、そんな風に思うの?って聞くと、
「赤ちゃんが死んだの! お母さんといた時に、赤ちゃん死んだの!」
「あっち行ってってお母さんに言われた!」
なんで?何が起きたの?と聞くと
「赤ちゃんが死んだのは、ちゃんと私がお母さんの言うことを聞かなかったから・・・
だから赤ちゃん死んで、お母さんが私に、あっち行ってて言った・・・」
「お父さんも、お母さんも、私の事嫌いになるかも・・・!!」
そう言ってミーちゃんは泣き出したのです。
お母さんのお腹の中にいた赤ちゃんが流産してしまい、
きっと不安定な気持ちになっていたお母さんが、感情的になって言った言葉に
ミーちゃんは、ずっと傷ついていたのでした。
病院に見舞いに行っていたお父さんの帰りを、夜遅くまで一人で外で
待ち続けたのでした。
お父さんも、お母さんも、私の事を嫌いになる・・・
赤ちゃんが死んだのは自分のせいだと・・・
2~3歳の幼い子の心を、この出来事が、どれほど深く傷つけたのでしょうか・・・
そして50年近く、ミーちゃんは、大人になった彼女の無意識の中で
ずっと、この悲しみと、孤独と、怒りの感情を抱えたまま
誰にも分ってもらえず、暗闇の中で、ただ一人佇んでいたのでした。
そう、このミーちゃんは彼女のインナーチャイルドでした。
ようやく、大人になった彼女は、幼い自分に出会い、
まだ2~3歳だったころの、あの時に感じた記憶を思い出せたのでした。
それは、ミーちゃんが初めて、本当の気持ちを理解してもらい
その気持ちを癒し、救ってもらえた瞬間だったのです。
そう・・・大人の彼女は、ヒプノセラピーで無意識の中にずっと苦しみ続けた
幼い自分にようやく出会い、そして初めて本当に救うことができたのです。
無意識の中で長年、抑圧し続けた本当の自分自身の気持ちを引き出し、
その幼い自分自身が納得できるような癒しで、苦しみの感情から開放できたのでした。
そして、大人の彼女は、ミーちゃんをもう一人ぼっちにさせないよ・・・と約束し、
そしてミーちゃんを一番安全で、温かい心のお部屋に入れてあげました。
そのお部屋は、おもちゃがたくさんあって、ミーちゃんはすごく嬉しそうに
はしゃいでいたそうです。
セッション後に、彼女が感じたことは・・・
やっと終わった・・・なんだか長い闘いがやっと終わった気がした・・・そう語ってくれました。
それまでは母親に頼るもんか!!と、意地を張っていたそうですが、
翌日には、どうしても自分で今は解決できない問題があり、そのことを
いとも簡単に、母親に頼むことができたのだそうです。
まさかこんなふうに彼女自身も、母親に対して素直にものを頼めるようになるなんて・・・
ご本人が一番驚いておられました。
母親に対しての、抑えきれない怒りやネガティブな感情が
幼いインナーチャイルドの叫びだったとは、
ご本人も思いもよらないことだったようです。
そして、無意識の中で苦しみ、叫び続けていたイナンーチャイルドを
救い出してから、彼女の目に映る日常の景色は、
今まで見ていたよりも、なぜか明るく感じたのだそうです。
もしかしたら、心の奥底の闇が 癒しの光で照らされたからかもしれませんね・・・
*クライアント様から許可を頂き、ご紹介させていただきました。ありがとうございました。
ヒプノセラピーについて詳しくはこちら
http://saibidou.p-kit.com/page309767.html
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